プロジェクト・セオリー ver 2.0
プロジェクト技術の理論的な研究
移動時間を減らす多拠点・多人数のリモートワーク、会議時間を減らすイシューワーク、複数プロジェクトの同時推進を可能に。
実践で使いながら習得するプロジェクトラーニングに完全対応した総合理論「プロジェクト・セオリー」。
プロジェクトとは、共通の目的と期限を合意したメンバーと、二度繰り返さることがなく過去の延長ではない一回性の「活動」です。
語源は、M.ハイデガーの Entwurf,J.P.サルトルのprojetで、日本語訳としては聞き慣れない「投企」という言葉で訳されています。「人間が自己の存在へかかわる仕方で、人間はすでに事実として世界のうちに投げ出されている被投性において、常に自己にふさわしい可能性に向ってこえ出ようとする。この可能性追求の自由な企てが投企である。(出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)」とある通り、過去の延長にない自らの新しい可能性に挑戦することが本来のプロジェクトの意味合いです。
常に新しい可能性へ挑戦するプロジェクト活動は、参考にできる前例の有無や規模の大小に関わらず、立ち上げ・参加するメンバーにとっては初めて直面する障害やトラブルを乗り越えることの連続です。
私たちは、実際のプロジェクトで直面した複雑で多様な事態に対応する中で、
全ての成果物(ゴール)は、発見・解決した課題の総量と一致する。
※成果物=発見・解決した課題の総量(成果物と課題総量の等価性)
という真理とも言える最もシンプルな法則の発見に至りました。
プロジェクト・セオリーは、この発見を土台として、スタート(グローバルシティズンシップに基づいたアイデアの段階)からゴール(プロジェクト終了時の具体的な形である最終成果物)までの取り組むべき領域(プロジェクトの規模・難易度・メンバーで取捨選択して使用する)を時間軸の上に配置し、実際のプロジェクトで個々のメンバー自身が本来持っている判断力と対応力を引き出すことを目的として、一枚図の表現に成功した実践用の理論体系です。
決まった手順の繰り返しであるルーティン活動とは異なり、毎度初めてのメンバーと初めての状況・手順で取り組む一回生のプロジェクト活動において、手元に置き参照できる実践用の理論体系は、活動全体を見渡す「地図」と目的地までの最短距離を示す「道標」の役割を果たします。
どれほど複雑で困難な挑戦であっても、全体像と現時点からゴールまでのルートが見えれば、影響の大きいリスクの予防対策や重要な課題の早期発見ができ、遭難や迷走を自立的に回避できる手だてになります。
この「プロジェクト・セオリー」という表現に至るまで、個人や組織で取り組む経済活動・社会活動(非営利活動)などの新しく生まれるプロジェクトへの立ち上げと参加、ならびに人類史上にある数々のプロジェクトを読み解き、それぞれで起きた同質の失敗の分析と仮説検証から発見した共通項をグループ化し、あらゆる活動に内在する普遍的な本質を探究してきました。
あえて「完成」させることなく、覚えるだけにならない“考える余地”を残しながら、時代とともにより理解しやすく、より使いやすくすべくアップデートを繰り返しています。次の世代へと贈るギフトとなるように今日も刷新を続け、100年先の新しい活動でも使える普遍的な理論体系を目指します。
最後に、プロジェクト・セオリーに基づいた「資格化」は想定していません。資格化は、“体系化された情報の認知の広がり”は期待できますが、一定の規模になると独占と利権化が始まり、有資格者以外の意見が届きにくく変化に時間がかかるなどの弊害も数多くあり、個々が“学びや本質を深めること”と“知識体系自体のさらなる本質の探求”には向いていません。構造化された知識体系は、誰もが迷った時や困った時の拠り所となれる公共財であり、オープンな意見交換によってより本質的で実践に使える内容が深まることが本来の位置づけです。個々のプロジェクト活動や学びとしてご自由にお使いください。
すぐに使える、3セオリー・15領域のシンプルな構成
プロジェクトメンバーの能力基準とプロジェクト難易度に合わせて使い分けができる、3セオリー・15領域で構成されています。
- 課題原理
- 【総論】「やりたい事の実現」と「ありたい姿の到達」は、一つ一つの課題の発見と解決を積み上げで達成される。
- 1.描かれた「やりたい事とありたい姿」は、立ち上げる1~複数プロジェクトで積み上げた目的達成と一致する。
- 2.各プロジェクトの目的は、各プロジェクトで積み上げた最終成果物と一致する。
- 3.プロジェクトで設定された目的と最終成果物は、課題の発見と解決の積み上げで達成される。
- 禁止原則
- ※プロジェクトが致命的な状況を予防する五つの禁止原則。
- 実践行動の原則 |会議や計画やルール作りなど机上から着手しない。
机上ではない本質的な課題の発見を目的として、必ず実証実験を含めた実際の現場から着手し行動して取り組むこと。計画やルール作りから始めない。 - 成果物逆算の原則|TO DO(タスクなどの作業)から着手しない。
必ず成果物を見据えた課題の解決を優先する。全てのTO DOは必ず課題の解決策となり成果物となる。
全ての課題やTO DOにおいて成果物を想定しない行動を認めず、途中で見失いがちな目的から外れた行動を防ぐ。 - 合意形成の原則 |方法論・手段から着手しない。課題(未合意)の発見から着手する。
多数決は少数派を排除するため安易な多数決をせず、合意を目指して対話を重ねた上で、期限内の合意が難しい場合には多数決を暫定的に選択する - 社会住民の原則 |経済から着手しない。
必ずグローバルシティズンシップに基づいた「やりたい事とありたい姿」という本質的な目的に立ち返る
その手段として経済を使用するという順序を忘れてはならない。 - 尊厳優先の原則 |自由の最大化からのスタートしない。尊厳の最大化からスタートする。
尊厳を侵害しない範囲で、自由を最大化するという順序を忘れてはならない。
尊厳(守るべきはルールではなく尊厳)の確保という本質的な目的に立ち返る。その手段として自由を使用する。 - 思考原則
- ※一人一人の現場判断を支える五つの思考原則。
- ・・・詳細については、完全版をダウンロードの上、ご確認ください。
- 使用目的
- ・”致命的な”失敗を事前に防ぐこと、および“失敗”を学びの機会として次の活動へつなげること。
- ・一枚の図で、全体像と現在位置を把握すること。また、現在位置と各領域を照らし合わせてこれまでとこれからを把握すること。
- ・実施前から成果が期待できないプロジェクトを開始前に停止すること、ならびに、当初のアイデア・目的と異なる成果物になることを防ぎ軌道修正すること。
- 使用方法
- ・・・詳細については、完全版をダウンロードの上、ご確認ください。
- 学習方法
- 1.活動から始め、座学から始めないこと。活動(の実践)→課題(の発見と解決)→座学(課題に対する)の順番。
- 2.活動で直面した解決すべき課題(TO DOではない)を、漏れなくダブリなく課題管理表で管理すること。
- 3.実践→課題→座学のそれぞれの段階で、プロジェクト・セオリーと往復して現在地と全体像を確認すること。
- 用語集
- グローバルシティズンシップ|誰もが「地球の住人」として、自らが望む・次世代へ渡す社会づくりと地球環境の保全と回復に関わること、
ならびに、行き過ぎた自由(持続可能性を妨げる地球環境の破壊や人権侵害など)を制限することへの参加意識。
この参加意識の元に世界人権宣言やリベラルアーツ、核兵器禁止条約などの方針、COP21やSDGsなどの具体的な目標が合意されている。
※アイデアの段階や最終成果物到達までの各領域での振り返り、プロジェクト目的との整合性検証で使用する。 - ・・・詳細については、完全版をダウンロードの上、ご確認ください。
プロジェクトベース・セオリー ( PB | Theory of PROJECT BASE )
- 概要
- アイデアを現実の現場で試す実証実験をスタートとして、プロジェクト立ち上げ前の準備期間から終了までのプロジェクト期間全てにおいて使用する活動の土台となる理論で、課題の発見と解決を積み上げで成果物へ到達ができる課題管理(インプット)を基幹として、課題の解決策となるTO DOを時系列に並べて進捗を管理するスケジュール管理(プロセス)、解決した課題と実行したTO DOのゴールとなる成果物管理(アウトプット)、課題が顕在化する前に監視と予防対策を講じるリスク管理、成果物の生産性の向上やマネジメントを効率化する最新技術の情報を集め導入を支えるテクノロジー管理という5つの領域で構成される。関係するメンバーの共同活動において統一理解が望ましい基本の考え方。
一つ一つの課題の発見と解決(課題管理)を活動のスタートとして、スケジュール管理・成果物管理だけではなく、コンセプトデザインや目標管理などプロジェクト・セオリー全ての領域と往復する。 - 使用目的
-
- 課題の発見漏れをなくすこと。
- 優先順位の低い課題の解決に、多くの時間や労力を投資しないこと。
- 課題の解決への投資を、何らかの成果物につなげること。
- 主成果物
- 課題管理表、課題管理ルール
- 成果物管理表
- スケジュール管理表
- リスク管理表
- テクノロジー管理表
- 使用方法
- 課題管理を始める前に必ず現場での実証実験から着手し、企画や計画の前に“禁止原則:実践行動の原則”に基づいてコンセプトの確認と課題の発見を実施する。
・・・詳細については、完全版をダウンロードの上、ご確認ください。- 課題管理を始める前に必ず現場での実証実験から着手し、企画や計画の前に“禁止原則:実践行動の原則”に基づいてコンセプトの確認と課題の発見を実施する。
- <課題管理>
- 1.課題管理表の作成
グローバルシティズンシップ・アイデア・実証実験・プロジェクトセオリーの各領域を元に、アイデアからプロジェクト立上までの期間はプロジェクトデザイン各領域で発見された全ての課題を一覧で記入する。
プロジェクト立上から最終成果物到達までの期間は、プロジェクトマネジメント各領域で発見された全ての課題を一覧で記入する。
※管理項目例:課題タイトル、課題詳細、担当、期限、課題の状態(オープンからクローズまで)。等 - 2.課題評価基準の作成
課題管理表を元に、重要度(質的評価)と影響度(量的評価)を両軸としたマトリクスで課題評価基準を作成する。 - 3.課題管理ルールの作成
課題管理表・課題評価基準を元に、メンバーの理解度と課題管理表の運用状況に合わせて合意形成を図りながら課題管理ルールを作成する。
※ルール例:発見した課題は全てのメンバーに共有(オープン)し、優先順位を元に担当と期限を合意する。課題の解決策は、必ず複数の選択肢から選択する。選択された解決策であるTO DOの完了時に、課題解決を確認し完了(クローズ)する。等 - <成果物管理>
- <スケジュール管理>
- <リスク管理>
- <テクノロジー管理>
- ・・・詳細については、完全版をダウンロードの上、ご確認ください。
プロジェクトデザイン・セオリー ( PD | Theory of PROJECT DESIGN )
- 概要
- 実証実験をスタートとして、プロジェクトが立ち上げる前の準備期間において、活動単位となる1~複数の実現可能な目的と期限のプロジェクトを設計するために使用する理論で、グローバルシティズンシップとアイデアに基づいて描かれた「やりたい事」から始める実現可能な道程、および現在時点から「ありたい姿」へ向かう到達可能な道程を描く、コンセプトデザイン(インプット)・グランドデザイン(ブラッシュアップ)・プロジェクトセットアップ(アウトプット)で構成される。アイデアを形にしたい主体者たちの統一理解が望ましい考え方。
プロジェクトデザイン終了時には、より具体的に描かれた「やりたい事」からのスタートイメージおよび「ありたい姿」からのゴールイメージを元に、1~複数のプロジェクトが立ち上がった状態もしくはゼロプロジェクト(一プロジェクトも立ち上がらない終了状態)のいずれかの状態となる。 - 使用目的
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- グローバルシティズンシップとアイデアに基づいて、重要な観点での抜け漏れがないコンセプトを描くこと。
- コンセプトを実現できる最終成果物・中間成果物をマイルストーンとした道程を確定すること。
- コンセプトを実現できる目的と期限を単位とした1つ以上のプロジェクトを設計すること。
- 主成果物
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- やりたい事・ありたい姿リスト(連携先一覧を含む)、ソーシャルイシューリスト(PEST分析)、ソーシャルイシューマップ、コンセプトデザイン図
- グランドデザインマップ(テクノロジー、適用対象の各種一覧)、グランドスケジュール
- プロジェクト一覧表、プロジェクトセットアップシート
- 使用方法
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- プロジェクトデザインを始める前に必ず現場での実証実験から着手し、コンセプトデザインの前に“禁止原則:実践行動の原則”に基づいてコンセプトの確認と課題の発見を実施する。
・・・詳細については、完全版をダウンロードの上、ご確認ください。 - プロジェクトデザインを始める前に必ず現場での実証実験から着手し、コンセプトデザインの前に“禁止原則:実践行動の原則”に基づいてコンセプトの確認と課題の発見を実施する。
- <コンセプトデザイン>
- <グランドデザイン>
- <プロジェクトセットアップ>
- ・・・詳細については、完全版をダウンロードの上、ご確認ください。
プロジェクトマネジメント・セオリー ( PM | Theory of PROJECT MANAGEMENT )
- 概念
- 実証実験とプロジェクトデザインの結果から立ち上がる各プロジェクトの開始をスタートとして、期限内に目的を最終成果物という形にするために、プロジェクト立上後の運営期間において使用する理論で、目的に基づいて設定する定性・定量の目標を設定する目標管理(インプット)、対象と対象外の範囲を決めるスコープ管理(ブレークダウン)、品質評価基準を定めて品質を担保する品質管理(アウトプット)が中心として、その三つを支える体制管理・会議体管理・コミュニケーション管理・予算管理の7つの領域で構成される。目的を最終成果物という形にするための共同活動において、関係するメンバーの統一理解が望ましい考え方。
プロジェクトマネジメント終了時には、設定されたプロジェクトの目的が最終成果物として具体的な形で一致した状態、複数のプロジェクトがある場合は各プロジェクトの最終成果物の組み合わせがコンセプトデザインで描かれた「やりたい事」もしくは「ありたい姿」と一致した状態となる。 - 使用目的
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- 目的に基づいた目標が確定すること。
- 目標に紐づいたスコープ(対象範囲となる最終成果物・中間成果物と範囲の対象外)を確定すること。
- スコープに紐づいた最終成果物の品質を担保すること。
- 主成果物
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- 目標管理表
- スコープ管理表、品質評価基準表
- 品質管理表、品質チェック表
- 体制(機能)管理表
- 会議体管理表
- 使用方法
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- プロジェクトを始める前に、“禁止原則:実践行動の原則”に基づいて、現場での実証実験の結果とプロジェクトデザインの結果を元に、改めてコンセプトの確認と課題の発見から着手する。
・・・詳細については、完全版をダウンロードの上、ご確認ください。 - プロジェクトを始める前に、“禁止原則:実践行動の原則”に基づいて、現場での実証実験の結果とプロジェクトデザインの結果を元に、改めてコンセプトの確認と課題の発見から着手する。
- <目標管理>
- <スコープ管理>
- <品質管理>
- <体制管理>
- <会議体管理>
- <コミュニケーション管理>
- <予算管理>
- ・・・詳細については、完全版をダウンロードの上、ご確認ください。
プロジェクト・セオリーの実践と学習の場
マネジメント社は、プロジェクトセオリーに基づいた各種サービス(Think! management・TIMESLIST・PMOなど)で、様々なプロジェクトを実践・支援しています。
Think! management プロジェクト・セオリーに準拠したプロジェクト技術を学び合うメディア
プロジェクト・セオリーの能力基準に基づき、ロジカルシンキング(論理能力)・ファシリテーション(合意能力)・プロジェクトデザイン(企画能力)・プロジェクトマネジメント(運営能力)について学び合えるオンラインメディア。
Management.へのプロジェクトの相談や依頼は、こちらからご連絡ください。