Case1
受注側企業のプロジェクト監査+プロジェクト支援+ワークショップ

社内にプロジェクトマネジメントの共通言語を作り、属人化しないプロジェクト運営を実現

  • 受注した案件のプロジェクト成功率が安定しない
  • 組織に体系的なプロジェクトマネジメントの知識と手法が浸透しておらず、属人化している

社内で常にいくつものプロジェクトが進行するA社では、プロジェクトの成功率が安定せず、たびたびいわゆる「炎上」状態になり、黒字プロジェクトの利益を赤字プロジェクトが食いつぶしてしまうことが組織的な課題でした。

その大きな原因の一つが、社内にプロジェクトマネジメントの知識と手法についての共通言語がなく、プロジェクトの成否が個人のスキルと経験に依存していることでした。

1.プロジェクト監査
健全なプロジェクト運営ができているかどうかをマネジメント理論に基づいて複数のレビューアの目で定点観測。発生した課題と解決した課題、スケジュールの変更有無、成果物の量と品質について定量・定性的にレポートしました。

2.プロジェクト支援
リスクありと判断したプロジェクトについては、マネージャーとメンバーの双方から課題をヒアリングし、一緒に解決策を考えます。たとえばあるプロジェクトでは、メンバーに役割やタスクが与えられていない反面、マネージャーにタスクが集中していることがボトルネックとなり、スケジュールが大幅に遅延していました。解決策として役割分担を見直し、タスクを割り振り直しました。

3.プロジェクトマネジメントワークショップ(4時間×3日間)
問題のあるプロジェクトだけを都度支援していては効果が限られるため、並行して教育サービスも提供。プロジェクトマネジメントの土台となる課題管理・スケジュール管理・成果物管理のワークショップを実施しました。

プロジェクトをマネジメント理論に基づいて定点観測することにより、プロジェクトに問題が起こってから対処するのではなく、事前にリスクを把握して対策を立てられるようになり、支援したプロジェクトは、いずれも期限内の目的達成を実現。

ワークショップでは、座学だけではなく主体的に参加できるワーク形式で、部長クラスから入社したばかりのメンバーまで広く参加してもらったことにより、体系的な理論の学習ができたことはもちろん、社内メンバーとの認識合わせの促進につながりました。

ワークショップで理論を学び、プロジェクトで実践することで、体系的なプロジェクトマネジメントの方法論を組織の中心メンバーに浸透させることができました。

Case2
ワークショップ+勉強会の継続支援

ベーススキルの底上げと組織のミッション定義、同時並行で相乗効果を発揮

  • メンバーのベーススキルにバラつきがある
  • 新部署のためバックグラウンドが異なり、共通言語がない。また、あるべき姿とミッションが明確でない

新しく発足したばかりのB部署には、経歴もスキルも異なるメンバーが集まっており、上長も含め各自が考える「部署のあるべき姿・ミッション」にズレがありました。

1.ロジカルシンキングワークショップ(8時間)

2.ファシリテーションワークショップ(8時間)
ベーススキルを向上するためのワークショップを2日間に渡って提供。「考えるスキル」としてロジカルシンキングを、「合意形成するスキル」としてファシリテーションを主体的に学んでもらいました。

3.社内勉強会のプロジェクトマネジメントとファシリテーションサポート(週1回×3ヶ月間)
部署のあるべき姿とミッションを自ら考えてもらうため、またワークショップで学んだことを実践して更にスキルアップしてもらうために、自主的な部署内勉強会を開催。
部署メンバーのベーススキルアップもひとつのプロジェクトと考え、期限内の目的達成を目指して、課題洗い出し、スコープと最終成果物の定義、スケジュール策定と進捗管理を実施。メンバーの主体性を大切にしながら、少ない時間で最大限の成果が出せるようサポートを行いました。
勉強会当日のファシリテーションは部署メンバー自身に持ち回りで務めてもらい、私たちはあくまでもサポート役として、準備と振り返りを支援。ファシリテーションの実践を通して、ワークショップで学んだことがより深く身に付くように後押ししました。

ワークショップによりベーススキルの足並みを揃えるとともに、メンバー間に共通言語を作ることができ、その後の部署内勉強会を効果的・効率的に運営することができました。

ベーススキルの獲得により、部署全体の能力が底上げされたほか、もともとスキルの高いメンバーは、他人にも教える・伝える意識を持つことができ、「人が人を育てる仕組み」の土台作りができました。

B部署のメンバー自らが主体的にロジカルに考え、合意形成したことで「部署のあるべき姿とミッション」が明確になりました。部署のメンバーからは「自分の役割がはっきりしたことで仕事への取り組み方が変わりそう」「目標設定に活用したい」といった声が寄せられました。

Case3
業務改善プロジェクト支援

クオリティはそのままに、ムダをなくして生産性アップ

  • 人件費の増大

C社では、成果物やコミュニケーションのクオリティについては顧客から高い評価を得ている一方、年々人件費が増えていることが大きな課題でした。そこで提供するクオリティはそのままに、業務のムダを省き、生産性を上げることが求められていました。

1.業務改善コンサルティング
一連の業務プロセスを客観的な視点で精査。マネジメント面に焦点を絞り、課題洗い出しと対策検討を行いました。

2.OJTによる業務改善サポート
2-1.会議体の整理と進行方法の改善
会議体を目的別に整理し、無駄な会議体は廃止。「とりあえずミーティング」という習慣を改め、決められた会議の時間内で意思決定ができるよう徹底しました。
また、進捗確認会議の進め方も改善。課題を確認すべきタスクを絞り、事前に詳細なアジェンダを準備することで会議時間を削減しました。

2-2.スケジュール管理方法の見直し
進捗管理表とWBSという役割の近い成果物を統廃合し、管理コストを削減。
また、いきなり作業に着手せず、成果物を決めてから作業を行うことをルール化することで、ムダな作業をゼロにしました。

2-3.役割分担の整理
キーマンの役割とタスクを整理し、他のメンバーに渡せるタスクは渡すことで、キーマンがマネジメントに集中できるようになり、業務効率化のスピードを上げることができました。また、体制全体にかぶっている役割が無いかを見直すことにより、「この仕事は誰にお願いするべきかわからない」「担当がついていないタスクがいつまでも放置される」といったロスを無くすことができました。

2-4.成果物の整理
成果物を格納するフォルダ構成が更新されておらず、各自が目的のファイルを探すために時間をロスしていました。そこでファーストビューで目的のファイルにたどり着けるようフォルダ構成の見直しを行いました。

2-5.コミュニケーションの効率化
メール件名の定型化などにより、コミュニケーションにかかる時間とコストを削減しました。

マネジメント面の課題解決により、管理コストを削減。

特に、人件費が膨らむ大きな要因となっていた大人数が出席する進捗確認会議は、進め方の改善により、1回あたり1時間半かかっていたものが三分の一の30分に収まるようになりました。

顧客へ提供するクオリティはそのままに、残業を減らし、人件費を25%削減することができました。

Case4
発注側企業の要件定義 スポット支援

複数の会社が絡む複雑なスコープ定義を第三者の目で整理し、範囲と境界線を可視化

  • 各社のイメージする言葉や成果物の粒度がばらばら
  • プロジェクト全体をマネジメントする役割がいない
  • 受注者側企業の出した見積もりを精査する金額感を発注側が持っておらず、妥当性を検証できない

三社が合同でシステム開発に携わるDプロジェクトでは、要件定義フェーズにおける各社のスコープ整理が滞っていました。各社のイメージする「機能」の粒度に差があり、どこまでスコープを具体化すれば要件が実現できるのか、認識が共有できていないことが大きな原因でした。また各社のプロジェクトマネージャーは多忙のため、プロジェクト全体のスコープを俯瞰して整理する役割が不在となっていました。

1.要件定義フェーズのプロジェクトマネジメント支援

1-1.プロジェクトマネジメントの基本ルール定義
三社間のコミュニケーションが必要最小限で済むよう、課題管理・スケジュール管理・成果物管理のルール定義を行いました。

1-2.スコープ定義支援
まずは「スコープ管理表」を提供し、スコープ整理の方法を各社へインプット。「画面」「機能」といった開発単位の粒度に齟齬がないよう認識合わせを行いました。
また、各社のスコープを整理した成果物として「機能一覧」「画面一覧」を作成。要件達成のために必要な最終成果物の質と量を明確にし、各社の作業範囲を可視化しました。

私たちが第三者として客観的な目でスコープを整理することにより、各社で粒度の揃った成果物をアウトプットすることができました。粒度の統一によって管理コストの削減につながったほか、金額感の妥当性もスムーズに合意することができ、各社間で共通認識を持って開発に進むことができました。

Case5
発注側企業の要求定義支援

新規ビジネス企画・設計における要求定義をサポートし、経営陣も含めた社内合意を獲得

  • 社内で新規ビジネスを企画・設計しても視野が広がらない
  • プロジェクトの上流工程をマネジメントできるリソースとノウハウが無い。誰に何をお願いしてよいかわからない

E社では会社の中長期的な戦略の一つとして新規事業の創出が求められていましたが、それに先立ってサービスコンセプトを策定し、要求を定義するまでのプロセスをマネジメントできるリソースとノウハウが無く、手探りの状態が続いていました。

1.要求定義フェーズのプロジェクトマネジメント支援
リサーチを含む現状把握、仮説設定といったマーケティング戦略およびサービスコンセプトの策定から、要求を整理し、実際にシステム化する機能を洗い出すまでのマネジメント全般を支援。目的・目標の設定、予算・スケジュール・課題の管理を行い、要求整理までに必要な成果物とタスクを一覧化し、担当と期限を明確にすることで、プロジェクトの最上流工程をナビゲートしました。

2.プロジェクトマネジメントツールのセットアップ
効率的なプロジェクト運営のために、プロジェクトマネジメントWebサービス「TIMESLIST」を採用。プロジェクトの課題・タスク・リスクの見える化と進捗把握がしやすいように、最適なフェーズ分けやカテゴリ設定といったツールのセットアップを行いました。また、ツールがより効果的に使えるよう、プロジェクトメンバーへ課題管理理論のインプットを実施しました。

要求整理までに必要な成果物とタスクが明確になったことで、毎週実施する定例で合意事項が積み上がりプロジェクトが行き詰まることなく進みました。また、リサーチと仮説設定・検証を重ね要求を整理する上での軸を漏れなく洗い出したことで、プロジェクトメンバー内の活発な発言を引き出し合意形成が促進されました。ビジネスプランとしてまとめられた資料は経営陣も含めた社内の合意もスムーズに獲得。プロジェクトの後半となる新規事業の設計からサービスインへ向けて、精度の高いインプットを渡すことができました。

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